昨日の続き。レストラン・PIC
今日は昨日の続き。
レストランPIC(ピック)へ皆さんをご招待したいと思います
さてさて、お話を続ける前に日本人とフランス人の根本的な文化の違い。
食事に対する感覚の違いを軽く書かせて頂きます。
今回は日常の食事じゃなくて、星付きレストランについて。
ちなみにヤスパパも日本人なので、これはヤスパパの実体験からくる独断と偏見的な意見だという事をご了承ください
まず、ミシュランの星付きレストランは普段使いで外食に使うようなところではないみたいですね。
実際お値段も結構高いし、フランス料理の勉強をしていなかったらヤスパパなんて一生縁のない場所ですね。
いや、ホント
日本人がイメージするフルコースで出てくる様なフランス料理は、元々王侯貴族が料理人に作らせていた料理なんです。
そりゃあ、一般人のヤスパパには遠い世界ですね
それでレストランが広まって、一般的にも食べられるようになっていったんです。
話を戻して日本のレストランでコース料理を食べても、長くても2時間くらいでお店を出てきますがフランスだと4~5時間かかることも珍しくありません。食事と同じくらいおしゃべりやシガー(葉巻)、サービスに内装などレストラン全体を楽しみます。
あくまで星付きレストランを最大限に楽しんだ場合で単品メニューだけ頼んで1時間以内で出てくる強者なんかもいます
逆に、憧れますね~。日常的に使っている証拠だもんね
まぁ、普通の人はせっかく特別なレストランに行くんだから最大限に楽しもうと思いますよね
そうすると、まずは予約です。マナーとしても楽しむためにも予約をしていった方がスマートですね。
受付で、しかも慣れないフランス語で満席なのか空いているのかも分からない状況だと焦りすぎて食事どころじゃ無くなっちゃいますもんね
震える手と緊張する心を抑えつつ、電話を掛けなくてはいけません。
「アロー。」フランス語で「もしもし」です。
ここからは飛ばしますが、大体しっかりしたレストランは英語も通じるので、そちらの方話しやすいかもしれないですね。
伝えることは
・名前
・日時
・人数 ぐらいです。
後は空いてるかどうかです。
これは日本でも同じですね
お店に着いたら名前を伝えて、席に通してもらいましょう。
レストランにもよりますが、最初にセットされたテーブルじゃなくロビー近くの開放的なソファーなんかに通される事があります。
ここではアペリティフ(食前酒)を頂きながらメニューを見て何を食べるか期待を膨らませていきましょう!!
ここでプティ・サレと呼ばれるおつまみみたいなものが供される事があります。
ここで頂いたプティ・サレは左から
・アボガドのムースとカリカリの筒
・サーモンロールと青りんご
・ミニハンバーグとフルーツジュレ
・キュウリロールとライムクリーム
・フォアグラのテリーヌでした。
手が懲りすぎていて詳しく書くとこれだけで終わっちゃいます
さてさて、お酒が入って緊張もほぐれメニューも決まったらテーブルへご案内。
ちなみに今回は155€(ユーロ)のコースを注文。
ヤスパパが行っていたころのレートは1€=140円ぐらいだったので21.700円のコースとなります。
やっぱ高い…、一生の思い出ですね
席に着いたら、始めにアミューズが出てきます。
前菜まえの一皿ですね。
これはフォアグラのクレームブリュレ
上にはパッションフルーツのクリームとポップコーンです。
甘じょっぱい味で食欲が増してきます
実はヤスパパ、研修中にこのお皿を担当させて頂いてました。
多い日には100枚以上仕込んでましたね。
ピックは大きいレストランで料理人も研修性を合わせると20人以上。
たまにお客様より料理人の方が多い日があったりなかったり
料理長のグランシェフと副料理長のスーシェフ。その他に前菜や魚料理・肉料理と各部署にシェフがいます。
それ以外にもお皿に対しての担当者がいて、仕込みから仕上げまでを行い各部署のシェフがチェックし、それを最後にグランシェフがチェックするという感じです。
さてさて、料理に戻って前菜です。
これはエスカルゴと温泉卵!
香辛料が効いたエスプーマのソースです。
こちらは冷たい前菜ですね。
添えてある野菜も彩りが面白いですね。
続いて2皿目の前菜。
こちらはピックのスペシャリテ(得意料理)の一つ
フォアグラのローストです。
確か下には、人参やオレンジ色の大根、パン・デピス(香辛料パン)
ソースはマンゴーとポルトだったかな?
一般的なフォアグラはカットしたものをソテーするのですが、これは大きなブロックで火を入れてそれをカットしたものです。
断面に焼き色が付いていないのが証拠ですね。
元々メニューに載っていなかったのですが、サービスしてくれたみたいです
ありがたいですね
魚料理はスズキです。
スズキのローストにじゃがいものガレット。
ソースは香ばしいナッツ系の泡のソースにフォンドヴォー。
淡泊な魚に濃厚な仔牛のソース。ナッツの泡で軽く仕上げた一皿ですね
口直しはこちら。
メロンのシャーベットの下には山羊のチーズ。
クミンの香りのチップスが添えられています。
ヤスパパは山羊のチーズもメロンも大好きなのでこれも大好きなお味でした
メインのお肉は鳩です。
日本では一般的じゃないですが、フランスのレストランではよくおいています。
これはジビエ(狩猟肉)ではなく家禽なので臭味はないので食べやすいですよ。
鴨より鉄分の多い感じで、肉質はもっと詰まっているみたいですね。
付け合せはグリーンとホワイトアスパラガス。鳩のソースとグリーンアスパラのソース
肉の下にはレンズ豆と鳩肉(手羽など)をほぐした物が敷いてあります。
デザートの前にはチーズを頂きます。
チーズはワゴンにのってたくさんの種類が供されます。そこから好きな物を好きなだけ切り分けてもらいます。
正直、普通の女性ならここまででお腹いっぱいで食べられなくなっちゃうと思います。
なので、時間をかけておしゃべりを楽しみながらゆっくりと食べていくんですね~
フランスに来たら、他で色々食べ歩いて、胃を広げなければいけません
お次は待ってましたのデザート。
これはパイナップルのパフェみたいな感じのものです。
下から、カスタードのババロアにパイナップル・サブレ生地にヨーグルトムースですね。
甘味と酸味のバランスがよくて、メチャ旨です
こちらは同時に供されるプティフール(小菓子)
写真で2人分1人4種類です。
手前の左から、バラとフランボワーズ・パッションフルーツ・キャラメル・チョコレートマカロン。
つまんで一口で食べられる大きさですが、1つ1つが普通のケーキの大きさでも問題ない完成度。
すごすぎます
驚くことに、これはメインのデザートではありません。
アヴァンデセール(デザートの前)という位置づけです。
続いてメインのデザート
こちらはチョコレートケーキ
プラリネ(ナッツをカラメルで絡めたもの)とチョコレートを組み合わせたガトーです。
プラリネやムース・クリームはヘーゼルナッツです。
爽やかなアヴァンデセールのあとはショコラとノワゼットの濃厚な味わいでした。
デザートも食べてお腹いっぱお大満足
と安心してはいけません。
ここからは席をかえてコーヒータイムです。
あっと、席を移動するついでにお手洗いに行っておきましょう。
廊下には歴代シェフの写真?がありました。
アペリティフは明るいラウンジで頂きましたが、カフェはこちらの落ち着いたソファーで頂きます。
そして、カフェに付き物なのがショコラ
こちらはボンボンショコラといって、中にはガナッシュという生チョコが入っています。
使うチョコレートやフルーツ、香辛料やお酒の種類で見た目は似ていても無数の味に仕上がります。
一番右の砂糖がまぶされている物はパート・ド・フリュイといって果物のピュレを煮詰めてゼラチンで固めたグミに近いお菓子です。
甘いものが苦手な方はシガーを楽しんだりし、ディジェフティス(食後酒)を楽しみます。
これで本当のおしまいです。
いかがですか?これ全部一人前の量です。
日本人にはあんまり馴染の無い食事ですよね。
もともとが王侯貴族の為の料理なので、好きな物を好きなだけ食べて残したりしてたんでしょうが
もったいなくてできませんよね~
・プティ・サレ
・冷前菜
・温前菜
・魚料理
・口直し
・肉料理
・チーズ
・アヴァンデセール
・プティフール
・デセール
・ショコラ
計12皿
ランチに予約して、12時にお店に着いて食事をおえてお店を出るとあたりが暗かったりします。
4~5時間かかるのも何となくわかっていただけましたか?
今回はフランスの南西部の町ヴァランスにある三ツ星レストラン「PIC」にご招待させて頂きました。
最初から出されるおつまみから最後のコーヒーまで、小さいものでもすごい完成度でビックリです。
面白いもので、10年以上前の写真を見るとどんな味だったか何となく思い出してくるから不思議ですね。
気が向いたら、また他のレストランや地方の郷土料理など食べ歩きの思い出をご紹介していきますね。
ではでは、今日はこのへんで、ごきげんよう~。